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全国各地で大雪…あの時の記憶が甦える

TAKEBOKOの旅 TAKEBOKO社長の「一期一会」ブログ

今日明日と全国各地で大雪だそうです。

朝起きたら外は真っ白な世界…

 

会社の前も雪で白く覆われていました。
九州でも高速道路が通行止めになるなど、九州地方でも雪が積もっているとのことです。
只今、鹿児島山形屋にて行われている大新潟展も 販売員さんが出勤出来ないで大慌ての様子。
あちこちで交通麻痺に四苦八苦ですね。

こうなると2年前の2014年2月14日の二日間を思い出します。

宇都宮から水戸に入り、翌日大洗の水族館を見学して銚子を目指した。

   
 
銚子で知り合いの池永かまぼこさんに会い、屏風浦を見た。

   
 
銚子を離れ、東京ビックサイトを経由して静岡の展示会に出席。
ここまでは予定通りのスケジュールだった。

あの大寒波が来るまでは…。

静岡の展示会中に午後から天候が悪くなると情報が入って来たため、予定より少し早めの14時くらいには静岡を後にして、一路東京経由関越道で新潟に帰るはずだった。

   
静岡から東名高速に乗り東京に入ったが、東京はすでに雪の銀世界、練馬から関越道に乗れば後は真っ直ぐ新潟に帰れると思っていたが、多分タッチの差で関越道が通行止めになってしまった。

  
時間は17時を回り、本日中に帰ることを諦めて宿探し。
土地感のある池袋方面ならホテルもあるだろうと、練馬を離れて池袋へ。

池袋に着くとすでに多くの人がホテル難民で溢れていた。
ネットカフェも漫画喫茶も満杯、1泊10万の某ホテルセミスイートは空いていたが、その時は、どうせ明日の朝起きたら帰れると思い地道に宿を探した。
が、無い。スマホで片っ端から電話を掛けてみたが、泊まれ場所が無い。新宿も赤羽も駅周辺は全滅。

特に車を停めるホテルが無い。

駅周辺や池袋を諦め、郊外へと移動した。

郊外は郊外でビジネスホテルが無かったが、そこで目に入って来たのが♡♡ホテル(笑)
煌々と光り輝く看板に「空室有り」しかも駐車場付き!

すぐさま、すだれの様な昆布の様な垂れ下がるビニールに車を走らせた。
自動販売機の様なフロントで部屋を選んだら、スピーカーから「いらっしゃいませ、1名ですか?お連れ様は?後から来ますか?」
事情を話し一人部屋で温かい風呂とベッドにありつけた。
翌朝、ニュースやネットで調べたら、関越道は練馬から水上まで通行止め、福島郡山回りも通行止め。
下道で帰るしか手段が無かったが、関越道は復旧が早いだろうと思い、関越沿いの国道254号線と17号線などを経由、距離にして約350kmを予定して出発

♡♡ホテルを後にした。
国道17号は昨夜からあちらこちらでノーマルタイヤ車の乗捨てや事故、スタック車のせいで断続的に渋滞。
 
ポルシェが立ち往生してバンパーは割れて半分くらいは無かったな。
なんとか昼過ぎに熊谷に到着したが駅前の17号線がまったく動かない。30分1時間たてど動かない。

  
車を降りて、前の方まで見に行くことに。1kmくら先に大型車がスリップして道路を塞いでいた。

そうか、関越道使う全ての車が同じ下道で移動している。大型車も配送車も全て…。
車に戻り、前後の車に情報を伝え、隙間を作ってUターンして、違う道を探した。
国道17号線を諦め、とにかく新潟に近付ける方え、ナビを見ながら前へ前へと

時には農道みたいな道や 
 
跨線橋を越えたら、その先が渋滞……いっきにバックで戻ったり

  
直進とUターンを繰り返して進める方向を探して
気が付けば知らない土地、初めての伊勢崎市で夕方17時を過ぎ、今日はここで宿探し。

駅前ならホテルがあるだろうと伊勢崎市内に入ったら、町中ゴーストタウン、除雪車が入っておらず、ここでも車の乗捨てや事故車が放置されて、なかなか進まない。

 
ホテルを見つけたが、キャンセル待ちの先客だらけで、ロビーにも居させてももらえない。

都心に比べビジネスホテルの数も少なく、ここはサラッと諦めて2日連続の♡♡ホテル探し(笑)

郊外に出たら、有りました有りました。

光り輝くネオンとピンク色の塀。

躊躇なく敷地内に入ると、本日の宿はモーテルタイプ。
一階が駐車スペースで 2階に上がり部屋に入ると、ピンクの豚がお出迎え…笑えない
   
 
今日こそ帰る予定がまさかのホテルに二泊。
ニュースで東名高速道路の、あの静岡からが大変な事になっていたことを知った。
高速道路から降りれずに、大渋滞で高速道路で一夜を過ごす人、食料・飲料水・トイレ・ガソリンなどのライフラインが足りていない。

今思えば、あの時に出発していなければ、自分もテレビに映る渋滞に巻き込まれていたんだと…。

家族に連絡を取り、無事を伝え、コンビニの安ワインを飲んで寝た。
翌朝は晴天。

スマホで道路チェックをして、やはり水上インターを目指すしか方法が無かった。

ただ、国道17号線も大渋滞やら動いていない情報が入っている。

伊勢崎市を離れて前橋方面へ行くと、やはり渋滞が待っていた。

車を降りて歩いて先頭を見に行くと、大型車が。運転手は乗っていない。

近所の人は昨晩からずっと止まっているとのこと。

そんな車があちこちに転がっていた。

歩いている途中、反対車線に新潟ナンバーの運輸トラックが。

新潟から来たのかと期待して運転手に声を掛けたら、残念ながらこの車も夜通し様々なルートを探して迷ってたらしい。

この先もその先も17号線は故障車ばかり、除雪車も通れない、緊急車両も通れないと聞いた。

この道も諦め、別ルートを探したが、ナビでは見つけられなかった。
そこでiPhoneのGoogleマップを開き、感と地図をたよりに進むことにした。
そう、赤城山脈の峠越えを目指して。
赤城山脈の坂道を登って行くと、前から対向車、真っ赤なフェアレディZがノーマルタイヤでバンパーボロボロ
前のパジェロとすれ違い様に側溝に落ちた。

フェアレディZから革靴履いて、80年代のバブル期かのようなダブルのスーツを着たお兄ちゃんが、バツの悪そうな顔して降りてきた。
パジェロのお兄さんもバカ野郎しょーがねーなーと、その場に居合わせた数台と近所の人でZを押し出し、お兄ちゃんにこの先の過酷さを伝えた。

そこの住所には富士見と書いてあったので、手伝ってくれた住民の方に「ここから富士山見えるんですか?」と聞いて見たら、「生まれてこのかた見たこと無い」って。
ついでにここから新潟に帰りたいのだけどと、道を聞いてみたら、

「353だ、353を真っ直ぐに行けば抜けられる」
「ラッキー!」一途の光が見えた。

おじさんの言葉を信じて353号線を北へ
数キロ進んだら、また渋滞。

今度は軽自動車がわだちにハマり立ち往生してたので助けに行くと、反対側から地元の青年団らしいトヨタの四輪駆動tundra(タンドラ)が凄い運転テクニックで車で雪を掻く。
車の後部バンパーを雪山に当てて、さらにバックをしながらハンドルをさばき、車がワイパーのような動きをして、フロントタイヤで雪かきをした。

おかげで軽自動車は抜け出し、渋滞も解消。
カッコ良かったなぁ〜
さらに353号線を進んだら…

  
行き止まりだった…。

  
そう言えば途中曲がるとか言ってたっけ、、。
少し戻り、昭和インターの下を通ったが、やはり復旧されていないようだ。

ネットの情報通り水上インターを目指すしかない。
赤城山脈の峠越えが功を奏して、沼田市の手前まで辿りつけた。
ここからはもう国道17号線を通るしか道は無い。

17号線に合流すると、少し進んだらまた止まるを繰り返し、少しずつ前へ。

ラジオはFM尾瀬(76.5MHz)しか入らないが、ゴミ収集車が回らないのでゴミは出さないでくださいとか、コミュニティセンターやってますとか、ローカルな情報が心を和ませてくれた。

  

そのうち渋滞が長くなるにつれ、車を降りては先頭車両を助けて、車に戻り先に進む、また止まったら助けに行く、そうすると何台もの運転手が同じ様に前に進もうと助けあっている。
大型トレーラーが狭い三国峠で滑って前に進まなければ、タイヤチェーンを外し大人数で押した。

タイヤチェーンを車に積んで、先に進んだトレーラーに届けたりと。

ただ渋滞にハマって動くのを待つよりも、体を動かして少しでも前に進みたかった。

この先、沼田市を抜けたらその先に宿は無い。

今日中に帰るんだと強く心に決めて先に進んだ。

沼田市を抜けて17号線から291号線で水上インターを目指す。

291号線は交通量も少なく、大型車はいなかった。

iPhoneのGoogleマップをたよりに、何とか水上インターまで辿り着いた。

  

やはり水上インターから新潟までは除雪されていたんだ。
ようやく水上インターに入り、高速道路の後ろを振り返ると…

 白いのは全て高速道路上
これでは完全通行止め、この雪の量と道路の距離を考えれば、復旧はまだまだ時間が掛かるでしょう。

  
そして、新潟に着くことができたのですが、とても印象深い出張の旅になりました。
常に最悪の事を想定して、最善を尽くし、心折れずに帰れたのは、我が家で待つ家族、子ども達の励ましでした。
絶対に帰ろうと
今日も各地で大雪です。
大雪になると、この出来事を思い出します。
今日も、きっと、帰ろうと頑張っている人たちが居るでしょう。
お気をつけて。