福永健治・関西大学工学部教授は、かまぼこ製品には「大腸がんの進行を抑制する効果あり」と報告している。
水産ねり製品には、「大腸ガン抑制」「認知症予防」「生活習慣病の予防」など、現代人の健康維持に大きな効果があることが実証されている。全国かまぼこ連合会が、平成15年から21年まで7年間にわたって実施した練り製品の研究助成の成果として「水産練製品の機能性研究成果集」という冊子が発行されている。
現代は大変健康に注意を払う時代になりました。特に水産物(魚類)ではエイコサペンタエン酸(EPA)やドコサヘキサエン酸(DHA)といった魚に含まれる油分が持つ脂肪酸と呼ばれる栄養素が色々な生活習慣病やガンに対して予防効果があると注目されています。しかし元々の魚の身の方のタンパク質については、動脈硬化性の病気に対して予防効果があるぐらいの研究がされているだけです。
魚肉タンパク質を多く含み、我が国の伝統的食品の一つであるかまぼこを食べることで大腸ガンにどのような作用がおきるか実験用のマウスで調べたところ、短期の飼育の結果では、ACFと呼ばれる大腸ガンの前兆の症状の発生はかまぼこを食べたグループでは少なく、10%のかまぼこの入った飼料を食べたグループでははっきりとした発生数に差がでました。
長期の飼育では大腸ガンの発生したマウスの数、そのマウスの大腸内のガンの数もかまぼこの入った餌を食べた方が少なく、また10%のグループでは、はっきりと差がでました。また解剖したマウスの大腸内を顕微鏡で悪性度を確認するとガンの悪性度もはっきりとかまぼこを食べたほうが良性の細胞でした。
追試として、魚肉として同量のタンパク質を含む物を食べたもの、同量同質のアミノ酸を含む餌を食べたものではこのような結果にはならず、この大腸ガンの抑制効果はかまぼこだけが持つ特性のようです。かまぼこを食べることで大腸ガンを予防できる可能性がでたことになるわけです。